中世日本紀
2014-01-17


禺画像]
『「神道」の虚像と実像』 井上寛司
              講談社現代新書 2011/6 (写真)


もともと、
神さまのことを知って考えたかったのです。

でも、
日本の神さまのことを知ろうとすると、
仏さま(仏教)がついてくるんです。

それで、
神仏習合やら本地垂迹やら神仏分離やら廃仏毀釈やら…
のことを知るようになり、
知れば知るほど、
神と仏のただならぬ関係に驚くやら引くやら…
するのです。

そしてまた、
日本の神さまのことを知ろうとすると、
神道がついてくるんです。

それで、
吉田神道やら神職やら国家神道やら…
のことまで知る本を読み散らかしています。


でも、
この本で、
その読み散らかしがカゴ(ザル?)に、
ざっくりですが入ったような気がしました。
 (トリコボシオオシ)


そのうえでさらに、
柳田国男の神道論のことも知りたいのかな、私…
と思いつつ読了しました。



ふぅぅぅ。



それとは別に(別なのか?)、
出雲神話のことで納得できる記述に出会いました。

ちょうど数日前、
私と同じように実家の出雲を離れて暮らす姉から、
「国引き」神話の神さまは、
ヤツカミズオミヅヌ(八束水臣津野)なんだと知った。
という話を聞きました。

そうなのよ!!
スサノオじゃないのよっ!

と、私。

「国引き」の話は、
子どものころからよく聞いていたのですが、
それはスサノオの神話と思い込んでいて、
初めてその神さまの名前を知ったとき、
ヤツカミズオミヅヌ?
って誰?
と思ったほどでした。

古事記や出雲国風土記のことを知りはじめたこの数年の中で、
一番に驚いたことでもありました。

それを姉もまた同じように思っていたと知り、
どうしてスサノオになったんかねぇと話していました。


それが、
実は中世のころに作られた
「中世日本紀」にあると知ったのです。

 “スサノオは釈迦が法華経を説いた聖地とされる霊鷲山の一部が砕け、海に漂っていたのを引き寄せて出雲の国造りをおこない、そこに神社を築いておさまった。それが杵築大社であり、新しくできた国土(現在の島根半島)を浮浪山という”

これは
 “仏教思想にもとづいて再構成された中世神話” 
の一例として紹介され、
スサノオは
 “杵築大社の本寺であった天台宗寺院浮浪山鰐淵寺の本尊蔵王権現の化身とされた”
ともあります。(杵築大社は現在の出雲大社)  (p,92)

ああそれで、
出雲大社の祭神もスサノオと思いがちだったのね…。
と、長年の思い込みの理由がわかったのでした。


ふぅぅぅぅぅぅ。



それにしても。

都合よく便利に使うよね。

神も仏も。
[本]

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